「いいけど、いいの? 時間減っちゃうわよ。
それでもいいなら、いいけど。
それに塾は勉強するところだからね、
そういうところに行きたいのならいいわよ」

「・・・」

緋色はぐっと詰まった。

わたしとの時間を増やせば、亮さんと会う時間は減るし、
緋色は勉強があまり好きなほうではないから、
それを見越しての二点攻め。

唇を一文字に引き締め、一生懸命に考えている緋色。

そんな緋色が可笑しかったのか、かわいかったのか、
おそらく両方かも。

藤井と佐々田がクスリと笑った。