普通な学校生活を送るための傾向と対策

「桜木さんも買うんでしょ。選んであげるよ」

 藤井が無邪気な子供みたいになっている
 緋色に話しかける。

 目じりがさがって、
 かわいいものを見たって顔をしている。

 はい、はーい。
 緋色には選んであげるのね。

「・・・・・」

 緋色は藤井の言葉にきょとんとした。

「あっ! もしかして、自分で選びたいとか? それでもいいけど」

「違うの。わたし持ってるから」

「えっ? 持ってるって、もう買ってるの?」

「うん」

 ちょっとニュアンスが違う、
 新品を買っているんじゃなくて、すでに使っているのよ。

 緋色の場合。言わないけどね。

 初心者でないことは、
 ラケットを持てば否応なくわかるでしょ。