「でも・・・」

 まだ納得がいかないのか、
 解せないのか。
 半信半疑の表情の女子達。

 これだけ騒いだら、
 なかなか気持ちに折り合いをつけにくいのも
 わかる気もしないでもないけど。

 さっきより明らかに勢いがトーンダウンした。



 よし! 
 もう少しね。


「藤井くんと佐々田くんに聞いてみたら?」

「・・・・・」

 彼らもそう答えるはず。
 それしかなかったのだから。

 そう。
 彼らが誘って、わたしがそれに答えただけ。

 緋色が答えたわけではない。


 彼らが緋色への思いを少しでも口にしたのなら、
 いえなかったけれど。


「ところで、そろそろ部活にいかない?
 わたしたち以外、誰もいないわよ」



 上級生も同級生もとっくにいない。
 
 それに気づいた女子達は、慌てて部室を出ていく。