次々と矢継ぎ早に
 繰り出される暴言ともとれる言葉を聞きながら、
 心の中で大きくため息をつく。

 完全な誤解。

 一緒に帰ったからといって
 好きになったとは限らないのに。
      
 理性的に考えましょうか? 
 みんな―――


 まったく。
 
 わたしは緋色をかばうように背中に隠した。


「ごめんなさい。誤解があるようなのだけど」


 お互いに感情的になると、
 売り言葉に買い言葉になって
 収集がつかなくなるからね。



 冷静に対処しなくちゃね。

「どこが?」

 言い方がすでにけんか腰。


 一緒に帰る=付き合う、じゃないから。
 考えが短絡過ぎるのよ。


 でもまあ。

 二人とも緋色にもっていかれたんじゃねぇ。



 女子達の立つ瀬がないか。