普通な学校生活を送るための傾向と対策

「でも、あなたたちが帰るのがずいぶん遅くなるんじゃない?
 それもなんか悪いな」  

「少し遠回りするだけだから、
 気にするほどもないと思うよ?」

 今度は藤井がそんなことを言ってくれた。

 にこにこと穏やかな表情で。


 少しね―――


 反対方向に送るのだから、少しでは済まないと思うのだけど。
 それは彼らのやさしさで、
 わかっていたことだけどね。

 でも、ごめんね?

 それって緋色には伝わっていないと思うから。

 私たちのやり取りを黙ってみているだけで、
 今だって、この状況をよくわかっていないだろうし?

 緋色って基本、受け身だからね。 


 ごめんね。


 もう一度、わたしは心の中で彼らに謝った。

 それに彼らにとっては、
 距離よりも、緋色のそばにいられることのほうが
 重大なことなのだろうから、
 遠回りしてでも送っていきたいのだろうしね。



 そのために声をかけてきて。