普通な学校生活を送るための傾向と対策

 でも、そのほうがこちらとしては都合がいい。

 けど。

 送っていくよって。

 緋色のほうをちらりと見やれば、
 驚いたように目をぱちくりさせている。

 送っていくということは、
 当然緋色んちまで行くということで。

「藤井くんと佐々田くんだっけ?
 確か校区違うから、反対方向じゃないの?」

 わたしは優しく気遣うようにいってみる。

 だから無理でしょうと、薄らと拒絶も込めて―――

 できれば別の方向で仲良くなりたいわ。



「そんなの構わないよ。
 だってお姫さまたちを送るのはナイトの役目でしょ。
 おれたち適任だと思うけど?」

 わたしは佐々田のそのセリフに
 一瞬、目が点になってしまった。

 お姫さまとかナイトってファンタジー小説の中でだけで、 
 現実にそんなセリフを吐くやつがいるとは。

 驚きすぎて言葉に詰まってしまった。

 案の定、隣にいる藤井もビックリ顔だ。


 結構笑えるけど。

 これが普通の男子だったら
 思い切り笑ってやるところ―――

 ただ、くやしいことに似合ってはいるんだよね。

 顔がいいと、そんなクサいセリフでさえも
 サマになっているのだから。