でも、それは一瞬で。

「今はそうかもしんないけど、ぬけがけ禁止だからね。
特に、桜木さん、二人のこと絶対好きにならないでね」

『特に、桜木さん』と『絶対』のところ、すっごい強調したね。

 なんて理不尽な。


 なに馬鹿げたことを考えてんの? ホントに馬鹿じゃないの?
 私は思わず目を覆いたくなった。

「そう、そう」

 何人かがその言葉に同意するように首肯した。

「わかった?」

 緋色の目の前で凄むように確認している。


 目が血走ってるよ。

 みんな必死過ぎ。
 男は彼らばかりじゃないのに。

 緋色は相手の勢いに押されるように「はい」と返事をしていた。



 意味わかっているのかなぁ。

 まぁ、いっかぁ。
 亮さんいるしね。






 と、そこで休憩時間が終わった。