「じゃあ、参加できないってこと？」

「そうね。残念だけど」

「川原さんは？」

「わたしも用事があって、無理みたい」

「そう、残念ね」

　そういいながらも内心は
　ほっとしているだろうなと思う。

　心の中では、きっとバンザイをしているんじゃないかしら？
　緋色に参加されたら、男子の関心はほとんど
　彼女にいってしまうだろうから。

　
　女子としては面白くないわよね。


「ごめんね。今度また誘って？」


　わたしは『絶対に誘わないでね』と
　言葉にこめつつ、
　完全な社交辞令の言葉で、
　心にもない事を
　すまなさそうな表情で言った。

「今度は絶対ね」

　女子たちも心にもない言葉で
　念を押して去っていた。


　やれやれ・・・やっといったか。
　ほっと息をついていると、



「えー。だめなのかよ」

　こちらの返事を聞いたのだろう、
　がっかりしたような男子達の声が
　教室に響いた。

　
　バカね。


　そんな簡単にＯＫするわけないでしょう？