「うわあ、あの二人試合をさせてもらえるんだぁ。
 いいなあ。あたしも早く試合をしたい」

 横から羨ましそうな声が聞こえた。

 同じ一年生の女子だった。
 経験者なのだろう。

 ここの中学校は三校の小学校が集まっていて、
 私たちの通っていた小学校にはバド部はなかったけれど、
 ほかの二校にはバド部がある。

「藤井君と佐々田君ならね、それも当然でしょう?
 なにせ全小三位だし。
 それよりもかっこいいよねぇ。二人とも・・・」

「あっ!やっぱりそう思う?
 あたしもそう思ってたんだよね。
 どっちがタイプ?」

「あたしは、佐々田君かな」

「あたしは藤井君。
 やんちゃっぽいところがいいんだよねぇ」

「佐々田君の落ち着いた感じもいいじゃない。
 頭よさそうだし」

「あたしは・・・うーん。両方いいよねぇ。
 どっちがいいかなぁ」



 いつの間にか、わたしの隣で一年の女子たちが集まり、
 どっちがかっこいいか、誰が好きか、
 恋バナっぽい話でわいわいと盛り上がっている。




 何気に人気がある。