次の日。

ワクワクとドキドキで胸をいっぱいにして幼稚園に着いた私は、すぐに愁君を探した。

教室にはいると、本棚の隣に座り、絵本を広げている彼を発見!


ちょっぴり緊張しながら、その横顔を覗き込む。

長いまつげ。

少し目にかかり気味の前髪。


優しい瞳。

同い年には見えなかった。


「し、愁君、おはよう!」

なんとか声をかけると、彼が顔を上げた。

「あ、叶愛ちゃん!!おはよう!」

私は、彼が笑顔でそう答えてくれた事が嬉しくて、思いっきり笑った。


その日は、お友達同士で自己紹介をしたり、先生のピアノに合わせて歌を歌ったりして過ごした。


グラウンドには立派な遊具がたくさんあったけれど、運動が大の苦手な私はその隅っこやお山の形をした遊具の中に入ってひんやりした空間のなかでボーッとしたり、泥団子を作ったりした。