「叶愛ちゃーーん!!!」

黄色い、動物がたくさん描かれた幼稚園バスを飛び降りると、1人の小さな男の子が1人の小さな女の子に向かってかけてゆく。


「愁くーーん!!!」


同じく小さな女の子もそう叫びながら男の子の方へかけてゆく。



まだ幼稚園生だった私たちは、入学当初からずっと一緒にいる仲良し。


おままごとでは決まっていつも夫婦役。


年少さんの頃は泣いてばかりの愁君をいつも私がよしよしってなだめてた。


けど、年中さんになったら、愁君は急に逞しくなって。


私が友達にいじわるされてるといつもかばうように前に立って、


「叶愛ちゃんをいじめちゃダメっ!」

って言ってくれた。


あんなに幼かったはずの愁君は、いつのまにか私のスーパーヒーローになっていたんだ。