「うわっ!おいしい。」
「でしょ?他にも気になるのがあれば頼んでね?」
「ありがとうございます。」
先輩が連れてきてくれたのは、これまたオシャレな雰囲気の和スイーツのお店。
抹茶好きの私には、たまらない。
それしても、先輩はどんだけ良いお店知ってるのか。
「よかった。この前、花那ちゃんが抹茶ラテを頼んでたから、このお店も気に入るかなって思ったんだよね。」
そんな所まで見てて、気にしてくれてたんだ。
本当に先輩はできる男って感じだな。
「先輩これ美味しいですよ?食べます?」
すこし苦味の利いた抹茶のふわふわの生地にに、生クリームが絶妙なバランスのケーキ。
「先輩…?」
私の勧めに答えず、私のごしにどこかを見つめる先輩。
先輩が怖い顔をしていたので、心配してになって声をかけるが、黙ったまま。
さっきの状況ととても似ていて、胸騒ぎがした。
「先輩。どうしたんですか?」
「こんにちは。」
私の言葉とほぼ同時くらいに背後から聞こえてきた、声。
女の人の、声。
振り向くと、やっぱり。
「久しぶりね、花那ちゃん。」
由梨子さんがいた。
もちろん、隣には隆弘。

