窒息寸前、1秒





「俺はね、由梨子を傷つけたあの二人が許せない。苦しめてやりたいんだよ。」



テーブルの上に置いている両手を強く握りしめて、拳は小さく震えている。



そんな先輩から強い気持ちが伝わってくる。




でも、正直言って私にはわからない。




由梨子さんのお父さんも、隆弘のお母さんも、
いけないことをしていたのは確かだけど、ここまで恨むものなのかな…?



由梨子さんと隆弘か恨む気持ちはまだわかるけど、先輩がここまで恨むのは違和感がある。



先輩が、由梨子さんがとても大切に思ってるのは充分にわかったけど、何かおかしい気がする。




「ほとんど初対面みたいな人間に、こんな話し聞かされて、動揺しちゃうよね?ごめんね。でも、花那ちゃんも気になってたはずだ。」




「それは、どういう意味ですか?」





「知っているんでしょ?由梨子と隆弘が隠れて会っていること。」