窒息寸前、1秒




「はぁ!?」



衝撃的な発言に思わず立ちあがってしまう私。



大きめに鳴った、ガタンという椅子の音が私の驚きの大きさを現しているようだ。



「まぁまぁ。」




なんて穏やかに微笑む先輩。




私の胸中は穏やかになんてなりませんけど!?



「俺だって、考えなしでこんなこと言ってるわけじゃないんだ。」



「はい?」



急に真剣なトーンで先輩が話すので、つられて私もクールダウン。



「まずは、俺と由梨子の話を聞いてくれる? 」



先輩の言葉に黙って、頷く。



由梨子さんの話しは興味があるし…。




「俺たちは幼馴染みなんだ。婚約者だけど親が決めたもので、恋人同士なわけではない。でも、俺は由梨子のことを大切に思ってる。でも、由梨子は違うと思う。」




「そんなこと…。」




「ないと言い切れる?」



由梨子さんは先輩を好きじゃなかったの…?




じゃあ何で?




「花那ちゃんは、由梨子と隆弘の親のこと知ってる?」



「いえ、何の話しも聞いたことないです。」



でも、予想はついている。



由梨子さんと、隆弘が血が繋がっていないということは、両親に原因があるはず。



「由梨子の家族を引き裂いたんだよ、隆弘の母がね。」