映画を観に行くらしいふたりと別れて、隆弘はこの後バイトまで時間あるらしいので、私を送ってくれることになった。
「びっくりしたね。」
「うん。俺、本当に知らなかった。」
ちょっとすねている隆弘。
本当にかわいい性格をしていると思う。
「仲良しな先輩なの?」
「うん。部活一緒だったし、良くしてくれてたんだ。」
「ふぅん。好きなんだね、あの先輩が。」
「…っまあな。」
分かるよ。
好きなんだね。
好きだから、言ってほしかったんだよね。
好きだから、秘密にされると、悲しくて寂しいんだよね。
分かるよ、私もだもん。

