「なーに?楽々、ヤキモチ?」 綾香はニヤニヤしながらわたしに聞いてきた。 「えっ…違うよ。違う……」 「ふーん……でも、彼は……… ま、いっか。何でもない」 綾香は意味深な言葉を残して、自分の席へと戻って行った。 違う……ヤキモチじゃない… だって…好きじゃないし……むしろ嫌いだから…… だけど…… この、胸の痛みと……ざわめきは……… 何……? わたしは、彼とお姫様から逃げるように教室を跡にした。