「何…やってるの……?」
座ったままで、部屋にいる彼に聞いた。
彼は、フワッと体が浮かせ、わたしの目の前まできた。
そんなこともできるんだ……と、少しびっくり……
わたしは、彼を見た。
彼もわたしを見ていた。
見下すように……
「な、何よ?」
わたしは、彼に負けじといい放つ。
「いや、ただお主に………気掛かりな点があったから、来てみたのだ…」
気掛かりな点………?
なんのこと?
すると彼は、わたしの目から視線を外し、少し下を見つめていた。
もしかして……
「……その…痣は、どうした?」
きっと首の痣のことだ。


