「楽々…か?」
滅多に呼ばない…あいつの名を口にした。
それは…わかる…
だって…あいつには……
だが…しかし…
「それならば、直接あいつに近付けば良かろう?
何故そうしない?」
「あら?あなたにも分からないことがあるのねー?
それは……あなたに近付いた方が面白くなりそうだからよ」
俺に近付いた方が……?
どういうことだ……?
「ふふっ♪自分のことになると鈍いのね~」
鈍いって……
俺は勘はいい方だが……
「まぁいいわ♪私はやめませんから♪
折角、人間の姿になれたんですもの!!
楽しまなくては損ですわ♡」
どうやら人魚族は、簡単には人間になれないみたいだな。
もしかして……
だから…あいつを……?


