こいつは…特別だ。



魔界の者達にとって……



もちろん……俺にとっても…だ。




俺は…それだけじゃ…ないが……



それを…伝えるか…?




………………





楽々のいつもより血の気の少ない顔を見ながら、考える。




何も知らず、聞かされず……ここ数日の出来事の真相もわからないまま…よりは……



話した方が……いいのか……?




話したところで、受け入れられるかもわからないが……






「アル、トく…ん……ぃ…や……や…だ…」






夢……?



夢でも…嫌…か……

そんなに俺の事が……嫌い…か……





その…方が……


お前の為には……いいだろう…




嫌っていた方が……




「好きに…なるな…」




ベッドで眠る女を見つめ、頬に手を添えた。




「絶対に……」






睨み付けられた時の顔を思いだし、フッと笑いが漏れた。




心配などいらないな……





その後、女に薄い毛布を被せ静かに部屋をあとにした。