すると、また、声が出なくなった。
この人……何をしたんだろう………
身体も動かない………
それを確認したのか、男の人はまた、首筋のところに顔を近づけた。
再び痛みが走る。
「………っ」
痛みの次は、体の中から何かが抜けていく感覚に陥った。
身体の奥から何かがくる……なんだろう…この感じ……背筋が……ゾクゾクする………
「っ………んッ…」
楽々は、初めて会ったこの男に、すでに気を許していた。
いつもの楽々ならあり得ないことだ。
いきなりこんなことする人に………なん、で……?
「……はぁっ…」
楽々は、首筋から離れた男を肩を揺らしながら、睨むつもりで見上げた。


