「ごめんね。音痴なのに、歌っちゃってて。」

「そんな事ないけど?」

「いやいや!!小学校の時、みんなの前で発表の時・・・

 わたし、音間違えちゃって。それで、銀賞だったの。」

って事は、自分の才能に気がついてないのか。

「じゃあ何で歌ってた?」

「それは・・・。何かね、歌うと気分がいいの。こんな話、柊にもした事ないのに。」

ーチクッ。

なぜだか心が痛んだ。

「その柊とはどんな関係?」

「幼馴染。確か、鈴木君と橋野さんもだよね?」

「何で知ってんだ?」

「仲よさそうだったから。」

笑顔で答えるアイツ。