「ついた!!!聖白高校!!!」
人気があるだけあってやっぱり綺麗な校舎
制服も赤リボンにブレザーチェックのスカートとやっぱり可愛いのだ
「あっ、そういえば、」
私は大事な事を忘れていた
あの美少年はどこだろう
もしかしたら受かってないかもしれない
色んなことをおもいながら、クラス発表の紙が貼ってある昇降口に向かった
「あった!あったよ!優!同じ!!!」
「嘘!まじ!?!?めっちゃ嬉しい!」
綾羽の声を聞きながらも自分のクラスを探していた
1ー3組
この学年は6クラスある
中学校とやはりクラスの数が全然違う
1ー1から1ー3まではA棟
そのほかのクラスはB棟と、クラスの場所も結構遠いのであまり関わりを持たない生徒もいるだろう、
まぁ、高校こんなもんだろうそんな風に考えながら綾羽と教室に向かった
「えー、1ー3組を担当する事になりました。米川理人です!みんな高校生活大切に楽しく過ごそう!宜しく!」
優しくなおかつ厳しそうでもあるがいい先生には変わりないだろう
窓際の一番端の席からみんなのことを眺めていた。
「じゃあ自己紹介しよっか!まず一番はじめに~お前からな!」
先生は一番前の席のひとを指した。それからだんだんと後にまわっていくらしい
「~です。岡崎斗貴也です!みんなよろしく!」
前の席の爽やかイケメン斗貴也君が終わったとこで次が私の自己紹介だった
「河波優です、えっとお菓子作ることとか好きです!みんな話しかけてきてください」
「可愛い~♡」「お菓子作ってー!」「よっ!美人」
など、声が聞こえて顔が赤くなりながらも席に座った
「はいじゃあ次!河波の隣」
全然隣のことを見ていなかったと思いその人の顔を見てみると、
「一ノ瀬陽太です!出身校は愛城中です!クラスをみんなで楽しくしましょう!」
まさか、…あのイケメンの受験の傘の持ち主の、、
女子の黄色い声がやんでだんだんと自己紹介が進んだところでとなりの彼に
「陽太くん?だよね?受験のときの傘…覚えてる?」
彼は爽やかスマイルで
「覚えてるよ!あの可愛い子!あいたかったんだ!受かっててよかった」
彼の言葉で完全に顔があかくなってしまったのが分かった
「そっ、そんな!可愛いくないよ!あ!っあと、か、か、か、さ!後で返すね!」
「うん!!」
彼は察してくれたのか目線を前に戻した
“可愛い”
この言葉なら何度か言われたことかある
勿論お世辞にしか思ってないと思う
だけどこの彼に言われてしまうとどうも本気にしてしまう。
それほど人をひきつけてしまうようなオーラがあるのかと…
「これ…一目惚れじゃないっ…よね?」
心で考えてるか、口にしているかわからなくらいな声で呟いた
キンコーンカンーコーン
「ねえねえ!陽太くんカッコイイ!アドレスちょうだい!」
「やばい!マジイケメン!暇なひとか遊ぼ!!」
彼の机は瞬く間に女子に囲まれた。
わたしは避難するように少し離れた席にいる綾羽のところに行った
「ねえ彼好きでしょ?」
「はっ!?、?」
「さっき喋ってるとこ見たしそのあらぶりようも…図星☆」
「はぁ…そうなのかな…」
綾羽は馬鹿でアホだが私のことに関してはなんでもおみとうしなのだ
まあ、ほんとに私のことに関してはだけ
「起立礼、」『ありがとうございました』
やっとだが、
数回この挨拶を繰り返し今日一日が終わった。
あのあと入学式があり、眠くなって倒れそうだった
まぁ、波乱の?一日だったような~?
ピンポンパーンポーン
「部活のない生徒~1年生は直ちに下校をしてください」
先生のアナウンスが入り大体が席を立ち下校し始めた
「帰ろ!!」
綾羽が声をかけてきた
頷き教室をでようとしたが、
大切なことを忘れていた。
教室のドアから後ろを見たがもう誰もいなかった。
そうわかったら綾羽のことを忘れて全力で走った
「ちょっ!?優!?!まっ、…もう…」
綾羽はため息混じりの呆れた様子でだんだん遠くなっていく優の背中を見ていた
やっと昇降口につき見覚えのある背中に声をかけた
「ようっ…陽太くん!!」
「ん?」
彼は、不思議そうな顔でこちらに顔を振り向かせた
「こっこれ!傘!ありがとっ…、ごめん濡れた…よね…」
少し申し訳なくなってしまう
でもそんな彼は私に、
「わざわざ!!ごめん!!ありがとっ!全然!!楽しかったよ!雨!」
彼の笑顔が雨を吹き飛ばしてくれたのかと思ってしまった。
どうしても笑顔になってしまう。
わたしもこんな素直で優しく笑顔がかっこよくも爽やかにもどんなふうにも見えてしまうそんなにとは初めて
素敵な人に出会えた
もうこんな出会いないかも知れない
「陽太くん!仲良くっ……………してね!!」
振り絞った言葉は、これだった。
「おう!!!」
男らしい返事をすると彼は微笑み私にじゃあなと手を振り帰っていった
それに見とれていた私は放心状態
そこから現実に引き戻したのは綾羽だった
「おーい!行きますよ~優〜」
「あっ、うん!」
呆れているか気にしない、
「じゃーね」
「バイバイ」
二人の家の近くまで来て帰る方向が違うので別れた
「ただいま~」
家から“おかえり”
なんて、かえってきたことないや
そんな家庭
分からない幸せなのか
ママとパパは好き、あの二人だってケンカなんかしない私の家族は仲がいい
でも、こんな家つまらない
「もう寝よ」
一通りやることを済ませ寝る体制に入る。
また明日話せたらいいなとおもいながら眠りについた。
