颯爽と二階の部屋の自分の部屋から降りて誰もいない家を着替え、準備しながら走り回る
家族がいるのはあまりない。
母は、パリのデザイナー。父は、アメリカで自分の会社を設立している。兄弟はもちろん従姉妹もいない。でかい家でひとり暮らしだ
一人でとても寂しい、そんなこと意地でも思いたくない。
だけど幼馴染みの、綾羽は分かってくれてるのかもしれない。いつも、わざと叫んでわざと家まで来て、わざと家を早くでさせようとしてるのかもしれない。
ふっ、と外にいる綾羽を思いながら家の玄関を出る。
「じゃあ行こっか?」
優しく微笑む綾羽は、私のいつも元気の源になってくれていた。
わたしもそれにこたえ
「うん!」
元気に応えることが一番かもしれない。