「うっわ……凄い雨…」

私、河波 優


聖白高校受験の日、受験会場に向かう途中


行くな、と言ってるのかというほどすごい雨


「どーしよ。今帰ったら間に合わないよ〜」

バス停の屋根で呟いていた。




「あの、もしかして聖白高校受験会場向かう途中ですか?」


後ろで声がしたのと同時に振り返る


「へっ…?!」


驚くほどの美少年がたっていた。


唖然とした私は、何を問われたかの忘れかけていた。


落ち着き我に戻ると

「あ、、、はい。今雨で行けなくて」

少々おどおどしながら答える




「あの、良かったら使ってください」





そういって美少年は微笑み私に折りたたみ傘を
差し出してきた。




「え、でも、あなたの傘は…」





美少年は、笑顔で 答えた

「今は雨に当たりたい気分!!じゃ!受験会場遅れずにね!!」


彼はそういって雨の中を走っていった
その背中が見えなくなるまで、見つめついた







「あっ!時間!こんなことしてる場合じゃない!」




彼から貸してもらった傘をさしていそいで受験会場へ向かう