好きになってもいいですか?

私も振り返って校舎を見上げた。

ちょ、人の量やばくない!?

窓からたくさんの女の子たちがこっちをみてる。

所々から二人を褒める声が聞こえる。

やっぱモテるなー。本当に尊敬する。

「瀬戸ちゃん、早く!」

史安くんはまた私の手首をつかんで
猛ダッシュ。

速すぎるんだってば〜!

「こっちからだと人多すぎるから
裏校舎の階段登ってこ!」

「う、うん!」

急な螺旋階段を引っ張られながら登って
いく。

やっぱ史安くんの背中広いな。

全てから守ってくれそうな、すごく
たくましい背中。

そんなことをぼーっと考えていたら

ドスン!

「いった〜。」

階段でつまずいてしまった。

「瀬戸ちゃん!大丈夫?
ごめん、俺がこんな走ってるから…。」

膝からは、たらたらと血が垂れている。

痛い。普段こける以上に痛い。

痛みに思わず泣きそうになる。

「めっちゃ痛そう…。本当にごめん。」

「ううん!大丈夫!」

とかいって強がってるけど本当痛い。

結構すごい音だったからすりむいた
ぐらいではないと思う。

「瀬戸ちゃん、涙目なってる。」

そういって史安くんは中に着たカーディガンの裾で私の目を拭ってくれた。

やば、なんかめっちゃ恥ずかしい…。

てか優しすぎだよ…。