好きになってもいいですか?

史安くんが窓を開けた。

すーっと、朝の涼しい風が頬にあたる。

「おーいっ!俺らも混ざっていー?」

大声で史安くんが叫んだ。

外にいるその人がドリブルしていた手を止めた。

その人は両手で大きな丸を作って
オッケーを伝えた。

史安くんは

「ありがとー!」

と叫んで私の手首をつかんで、猛ダッシュした。

「ちょ、速い速い!こけちゃうよー!」

本当に超速い!前のめりになって
引っ張られていった私は
いつの間にかグラウンドについていた。