好きになってもいいですか?

史安くんはおいで、とでもいうように
私に手招きした。

私は小走りで史安くんの後を追っかけた。

大きいからか、歩くのも速い。

背中、広いな。

史安くんは突然立ち止まった。

突然だったから、私は史安くんに思いっきりぶつかった。

よろけた体を史安くんが片手で支えてくれた。

「ご、ごめん!」

「俺こそ突然止まってごめん。」

史安くんの目は窓の外を向いていた。

「先着、いたわー。」

私は小さいなりに背伸びして窓をのぞいた。

グラウンドの隅に設置されたバスケットゴールが太陽の光にあたって黄色く
見えた。

その下で、誰かがバスケしている。

「史安くん、しないの?」

「どーしよっかなー。でもあいつ、
一年だし、混ぜてもらおっかな。」