恋愛部活動部

桜がいなくなって

みんな部長の周りに集まる


確かに部長の右手首が


ものすごく腫れていた


でも、部員全員は気づかなかった


それぐらい部長は隠すのがうまかった


そして顧問が近寄り



「試合はお前が勝ったかもしれないが

 いろいろ含めてお前の負けだ」


「わかってますよ、それにしても

よく気づいたな 桜」


「ほんとだよ、顧問のおれでさえ分からなかった

 最初のうちはな

 8-8になったときやっとわかったくらい

 やけに桜がお前に左手でドリブルをするように

 仕掛けてると思ったんだ

 何かかばってるような

 いつ気づいたんだろうな」


「部長」


「「「桜っ!!」」


「これで冷やしてください」


「で、桜はいつから分かったの?

 右手が負傷していること

 そして今週末 うちが

 試合に出ること」



「あなたが、一回目のシュートで

片手で決めたとき 右手で決めた

その時 わずかにあなたの眉が寄った

そして少しボールがまがった


そこからです


そして試合に出ると分かったのは

勘です

でも、私はあなたの戦い方を少しだけ尊敬します

どんなに私が素人でも手を負傷しても

手を抜こうとはしなかった

さすがに手加減はしたでしょうけどね」


この時部長は思った


「天才だと」