~桜~                     最悪だー…。
やってきたテストの時期。
来週からテスト週間にはいってしまう。
「百合~(>_<)」
私は真後ろの席の百合に泣きつく。
「どうせ、テストのことでしょ鉄の仮面に教えてもらったら」
だから“鉄の仮面”って(笑)
でも、巧に教えてもらうかぁ…。
確かに巧は頭がいい。
この前来年習う、高校三年生の問題をすらすらと解いていた。
(注・ここからは妄想です)
『ねぇ巧ぃ私この方程式解けないよ』
『桜は解けるよ』
『へ』
『俺との恋の方程式をね』
…いいかも…。
…じゃなくて、ないないないっ
巧はなんてつけないし、こんなくさいこと言わないよっ
でも勉強会かぁ…。
やりたいかも…
隙があればイチャイチャできる((笑))
よしっそうと決まればさっそく
私は勢いよく立ち上がる。
「ねぇ…勝手に一人盛り上がってるとこ申し訳ないんだけど、今授業中だから」
しまった…。
このあと私はのこり20分、その場で立っているはめになった。

放課後。
いつもは巧が迎えに来てくれるんだけど、待ちきれなくなって私は、巧の教室へ向かう。
私は二組で巧は七組。
校舎が違うから少し遠いけど、関係ないっ
「巧…」
七組の扉にてをかけたところで手が止まる。
教室にいる巧は私には気づかず、女の子と話していた。
ショートカットの似合う女の子は巧の髪を「さらさらだね~」とかいいながら触ってる。
…嫌…だな…。
戻ろうかと考えていると、巧が私に気付き近寄ってくる。
「来てくれたんだ」
「うん…」
「すぐ準備するから待ってて」
巧はかばんに教科書を詰めると本当に早く来てくれた。
「じゃあ帰っ…」
『帰ろう』
と言おうとした私の言葉はさっきの女の子によって消される。
「巧~何いそいでんのっってあっ彼女さんはじめまして。飛鳥です」
ー…巧ー…呼び捨てなんだ…。
「あっはじめまして。えと橋本桜で…」
言い終わるか終わらないかのところで巧が私の腕を引っ張り、強引に教室をでる。
「巧っ巧どうしたの」
学校の門をくぐり抜け、やっと腕をつかむのをやめてくれた巧に問いかける。
「嫌そう…だったから。ごめん。痛かったか」
心配そうに私の顔を除き込む巧。
気づいて…くれたんだ…。
「ううん。ありがとうっねぇ巧…」
「ん…」
「あのねっテスト週間中、勉強…一緒にしたいの…」
私はドキドキしながら答えを待つ。
『嫌』とか言われたらどうしよう…(>_<)
「ぷっ…そんな心配しなくても断らないって」
そういって笑う巧。
すごい…さっきまで最悪な気分だったのが嘘みたい…
早くテスト週間来ないかな