いつもそうだった
笑っているのに
笑ってない君
目が合っても
絡み合うことなく突き抜けて
どこか遠くを見つめる瞳は透明で
見ているだけ
悲しくなるんだ…
あれは、初めて璃夜と僕が会った日。
3歳の頃だった。
いつものように、お母さんと公園で遊んでいたとき。
沢山の子供の中で一際目を引く、ゴスロリの服を着て一人で遊んでいる女の子―璃夜がいた。
「芦斗、
あの娘は、璃夜ちゃんっていうのよ」
お母さん曰わく、隣の家の子供らしい。
僕―芦斗は真っ直ぐ璃夜の元に、吸い寄せられるように行った。
忘れもしない、初めて璃夜と目が合って、笑ってくれたこと。
「ぼくは、あしとだよ。
よろしくね、りよちゃん」
璃夜はこっちを見た。
目が合った。
美しかった。
だけど、視線は絡み合うことはなかった。
悲しく、儚い感じがした。
「よろしく。あしとくん」
璃夜が笑って言った。
顔は笑っていた。
可愛かった。
けれど、目は笑ってはいなかった。
解らなかった。
あの頃はただ、綺麗な瞳をしているとしか考える事が出来なかった。
透明な瞳が、どれだけ悲しいものなのか。
