闇ニ沈ンデイル私
ソンナ私ノ元ニ
光輝ク君ガ現レタ
ネェ、君ハ誰?
「おはよー。璃夜(りよ)」
「おはよう。神美(かむみ)」
「おはようございます」
闇のごとく深く濃く、それでいてどこまでも透明な黒い瞳と大きな二重の目。
目と同じく闇色の、そして絹のようにサラサラで艶やかで細く長い髪。
2つを強調し、強調される健康的で白くきめ細やかな美しい肌。
整った顔にスラリと細く凹凸もあるモデル並みのボディー。
誰もが憧れる完璧な姿の璃夜の口から発せられる声は高く、透き通る美しい声。
彼女、神美 璃夜は完璧と言えるほどの美人だ。
「おはよ。璃夜」
「おはようございます。
瑠慈羽(るじう)さん」
「オッハヨ~!雪野(ゆきの)。
オッハヨ~ゴザイマス!
僕の愛しの璃夜ちゃん~」
雪野 瑠慈羽。
彼は、璃夜の幼なじみ。
あまり笑わないが、格好いいためクールとして通っている。
「おはようございます。
浩蛇(ひろだ)さん、亜弥(あや)さん」
「おはよう。
芦斗(あしと)、紫美(むらみ)」
彼等も璃夜の幼なじみ。
2人も美人。
四人が歩く姿は絵になる。
同じ高校1年生から3年生まで皆、気付かぬうちに四人に道を空けていた。
―キャー!!あの四人が来たわよ!
―いつ見ても素敵ね~
―あの中に入りて~
いつもと同じく黄色い声があがる。
ただ、一つだけ違うことがあった。
誰もが想像しなかっただろう。
この違いが、運命を大きく変えるなんて。
―あれは何?
―何で道の真ん中に立っているのよ
―どう見たって、普通の男子だよね
―もしかしたら、告白じゃない?
―あるかも。馬鹿だね
―釣り合わないに決まっている
「あっ、あのっ!璃夜さんっ」
ふと、四人は立ち止まった。
「璃夜、あの人知ってる?」
亜弥は聞いた。
「いいえ、どなた様でしょう」
「あの、付き合って下さい!」
急な告白に璃夜は戸惑ったが、すぐにこたえた。
「丁重にお断りさせて頂きます」
「で、ですよね~」
彼は今にも泣き出しそうな顔になった。
「分かっていましたから。
全然気にし…」
「分かっているのに、何故言うのですか?
言うだけ虚しいでしょうに。
自虐ですか?」
―璃夜さんの毒舌だわ~
