ニコイチ。

「千華…。」
震える声で、俺は言った。そして、千華を思いっきり抱きしめた。
「!」
驚いた様子の千華に、俺は続けた。
「俺…何も分かってなかった…。千華とは昔からずっと一緒にいるのに、結局何も分かってなかったんだ…。」
「竜之亮くん…。」
「ゴメン…千華…。」
「もう…泣かないで。」