歩くこと10分。駅に着き、電車に乗り、移動すること10分。俺達がたどり着いたのは…。
「ここ…留置所?」
「うん。凪沙の頭を殴ったって、自首したんだ。詳しくは、本人に直接聞いた方が早いかな。」
もう夜だが、面会はできた。初めて入る留置所に、俺は少し、ある意味で緊張していた。
「入れ。」
看守の人の言葉で、千華のお爺ちゃん…七尾さんが俺達の前に来た。最後に会った時より、少し痩せていた。これを、留置所ダイエットと言うんだろうか。