「千華。」
「ん?」
「ちょっと、夜の散歩でもする?」
「夜の散歩?」
「千華の爺ちゃんに、会いに行こうと思ってるんだ。」
「爺ちゃんに!?」
千華が眼の色を変えて、話に食いついてきた。
「え、今から?行く行く、絶対行く!」
「じゃあ、行こう。」
俺達は外に出た。もう3月だが、まだ冬の寒波が夜に生き残っていた。…寒い。