「壬申の乱は…紀元後だったよな…よし、正解。」
こんなことを言いながら、俺は家の周りを廻った。もう完全に冬だ。寒さで体が震える。近所の家から鍋の音が聞こえる。ブツブツ、グルグル、ブルブル、グツグツ。
寒さが染みてきたので、家に入ろうとした時だった。聞き慣れた声が、歌を歌った。
「蛍の光…。」