凪沙に見送られ、家路に着いた俺は、ある意味の「罪の意識」にさいなまれていた。
俺は、1人の純粋な女性を騙したのではないのか。いや、1人じゃない、2人だ。あるいは、もっと大人数かもしれない。だが、ここで問題なのは人数じゃない。俺が騙したという、その事実だ。
心が冷えると、体にまで外の寒さが染みてきた。俺は早足で自宅に帰った。