ニコイチ。

「ん?何?『人間が恋愛する理由を推察せよ』?」
「はい…。これが結構難しくて…。」
最近の大学は、随分個性的な問題を出すようだ。
俺の中での答えはすでにあったのだが、どうにも答えとは呼べないようなものだった。それは…。
「理由などない」
だった。
「私、恋愛なんてしたことないからな…。」
凪沙のつぶやきを、俺は聞き逃さなかった。