ニコイチ。

スプーンにすくい、口に運ぶ。
「熱っ!」
作りたて特有の熱さが、俺の口に広がる。が、それはすぐにカレーの美味しさにかき消された。
「ゴメンっ!熱かった?」
「大したことないよ。」
すると千華は、少し恥ずかしそうにこう言った。
「ちょっと、口開けてて。」
「おう…。」
俺はイマイチ意図が見えないまま、口を開けた。そして千華は、自分のスプーンでカレーをすくった。