空を見上げれば

「じゃ、決まりね!
あやめは家に電話したほうがいいよ。」



「あ、うん。」


手渡された電話の子機に
自宅の番号を打ち込む。



ープルルル......


《...もしもし?》



この低い声は、お兄ちゃんだ。



《...私だけど。》



あれ、返事がない。



《...新手の詐欺か?》



はあ?バカなの?



もう大学生だって言うのに、


実に情けない。