彼の話は少し長かった。
まとめると、私が廊下を歩いていた時に、友達に投げた野球ボールが、私の頭に当たってしまったらしい。
そして私は意識をうしない、5時間目が終わるまで寝ていたという。ちなみに今は5時間目と6時間目の間の十分間の休み時間だった。
軟式のボールだったからこれくらいで済んだと言っていたけど、私にはよくわからない。
ガラッ
その時、急にドアが開いて、保健室の先生が入って来た。
「高槻さん。あなた、これから病院に行ったほうがいいわ。」
え?
「軽い脳震盪を起こして、意識喪失になってたんだから、検査を受けに行きましょう。」
「あ、はい。」
「じゃあ、俺付き添います!」
赤月くんが口を開いた。
「あなたは、残りの授業を受けなさい。
テストも近いんだし。
病院には私がついていくから。」
「はい、わかりました。
...あ、高槻さん!!」
彼に急に名前を呼ばれて驚いた。
...名札を見たのか。
1人でどきどきしていると、彼に紙切れを渡された。
「それ、俺のメアド!今度ちゃんとおわびしたいから、連絡して!」
「はい!」
「じゃあ、行きましょうか」
先生に言われ、保健室を後にし、荷物をまとめて
病院に向かった。

