「姫、何処に行かれるのですか…」

見張りの門番が城から逃げ出そうとする姫を引き留める。


「何って、町じゃ!」

元気に逃げ出そうとする姫。

そこに来たのは背が高く、眼鏡。この男は姫の付き人。

氷室である。

この男は、姫が心底嫌っている男の一人で、何かと町に行く邪魔をする。

「 姫、大殿様がお呼びです。」

何度も言われて聞きなれたその台詞を、

「ああ、わかった!」

と言って、大殿のいる部屋へと急いだ。