そして今日はあの日と同じバレー部の大会の日だった。

渚はキャプテンという大きな仕事を任されるような存在となっていて、ポジションはレフト。

怪我の前よりも切れのいいプレイを見せていたが、一つだけ異なっている点があった。

それは右手の手首から関節にいかないまでもその半分ぐらいまでのところをテーピングで固定していたのだった。

これだけがあの骨折の唯一の後遺症なのであった。

それもボールが直接当たると痛いから、ぐらいの理由のもので、重大なものではなかったのだ。

しかしもちろん他人から見れば痛々しいもので、何人もの人が渚のことを気にかけてはいたのだが。