怪我の巧妙

「…いいや?渚らしさが出てていいと思うよ。俺が好きなお前らしいよ。…まあそれはいいけど、手はどんな感じなんだ?」  

「なんか前みたいに動かせない感じがする。リハビリ後の一番調子が良かった時って言い方も変だけどさ、その時より調子が悪いと思う。診てくれる?」  

「もちろんさ。例えお前が嫌がったって、医者の言うことを聞けっていって診させてもらうね。手首の方か?…ここは?一応動かせはするんだな?…ただ、ちょっと気になるとこがあるな…。骨がきしんでるのが分かるけど…。これは前からか?」

隼人は少し心配顔で聞いた。  

「…ううん。前はそんなことなかったと思う…。それって治る?そんなんでもバレー、できるかな?」  

「どうだろうな。ただ普通に動かすのにそこまで大した問題にはならないはずだ。ただバレーとかになると痛みが出る場合があるかもな。気を付けろよ。じゃあ、最後に身体のマッサージでもしてやるよ。足の痛みもこれで少し ましになるといいけどな。やっぱり薬っていうのは使わないにこしたことはないんだし。ほら、うつ伏せになって」