怪我の巧妙

隼人が渚のそばでしゃがみこむと渚は笑って、  

「先生、変なとこで会いますね!」と話しかけた。

隼人はその一言で渚がなぜそこにいるか、今どういう状況なのか、瞬時に把握したのだった。

隼人は黙って渚を抱き上げ、病室に歩いていった。

そしてベットに渚をおろすと、隼人は静かに怒りをあらわした。  

「さて、どういうことだ、これは?渚!俺があれ程念を押したのに、その言った通りのことをするとは呆れて物が言えないぜ!一体何を考えてるんだ?自分の身体を大事にしろって何回言わせれば気が済むんだ?」  

「…ごめんなさい…。…でも、私…!」  

「でもじゃないだろう!ひどい怪我だってことも最初から言ってあったはずだ!にも関わらずまだこんなことをするのか、お前は!?歩けなくなっても、手が使えなくなっても知らないからな!」

隼人はそう言うと白衣を翻し、荒々しく病室を出ていった。