怪我の巧妙

が、すぐに足はいうことを聞かずに、渚はガクッと倒れ込んだ。

渚はそんなことを気にしもせず、とにかく立って歩こうとしたが、急な歩き過ぎがたたったのか、筋がおかしくなって立ち上がることができなくなっていた。

しかし慌てている渚にそんなことが分かるわけもなく、次は手の力で立ち上がろうとした。

が、急に痛んで思わず声を上げてしまった。

隼人はぐんぐん渚に迫っていたが、最初は渚がそこにいることに気付いていなかった。

「うあっ!」という渚の声で隼人は顔を上げて渚がそこにいることに気付いた。  

「渚!?」

隼人はそういうと渚に駆けてきた。

渚はその声にビクっと反応し、観念して隼人がそばに来るのを静かに待っていた。