怪我の巧妙

そしてそれから渚のリハビリ始まった。

最初はベットの上で、それから病室で、というように少しずつ使う場所を多くしていったのだった。

1週間ぐらい経って、少しずつ手足が動かせるようになった渚だが、隼人はそんな渚に注意を促した。  

「分かってるかは知らないが、ギプスを外してリハビリの途中でもう1度ギプスをはまることになる人っていうのはけっこう多いんだ。なんでか分かるか?」  

「なんでだろ?実は治ってなかったとか?」  

「そんなわけないだろう?治ってないなんてことはレントゲンを撮る時でも分かるさ。医者がそんな状況でギプスを外すわけはないよ。理由は長いギプス生活からやっと解放されたって言う解放感のせいさ。しかも治ったっていう言葉で、骨折前と同じ活動ができると錯覚する人がいるんだ。そうじゃないことは分かるだろう?使わないせいで筋肉はすごく落ちてる状態だから、普通になんて動かせるわけがない。で、俺が言いたいのはお前は無理するのが好きみたいだからな。何回も言ってるけど、絶対に無理して動かすんじゃないぞ!今度無理したらまたギプスなんて嫌だろう?大体な、おま…」