怪我の巧妙

「…その黙り具合からすると、何かお前、隠してるな?」  

「べ、別に隠すことなんか…!」  

「ほら、その慌てよう。何か隠してるのは確かだな…なんてな。お前、俺に何か言いたいことがあるんだろう?」

渚は隼人のそんな真剣な顔を見たのは、診察中以外では初めてだった。

渚は観念した。  

「そうだよ…!私、先生が好きです…!ごめんなさい、先生。だって…」  

「いいよ。俺も好きだから、お前のこと」

渚はこの言葉に一瞬迷った。

これはこの言葉通りにとらえていいのだろうか。

そしてまっすぐに隼人を見つめた。

隼人もそれに答えて見つめ返した。  

「…変な言い方だけど、これは確かに好きっていう感情なんだ。俺は今まで女性に魅かれるってことはなかった。黄金高校で最初にお前のけがを診た時からどんどんお前に魅かれていったんだ。意地っ張りで頑固だけど、自分の気持ちに正直で思いきり生きていたお前に感動させられたよ。学校では生徒と先生の関係だけど、俺はお前と一緒にいたい。この気持ちが続く限り…」