怪我の巧妙

次の日から渚の入院生活は始まった。

と言っても渚は手足を動かすことすらできなかったので、起きたら寝るまで間、何もすることはなかった。

定期的に体温測定に来る隼人や看護婦さんと話すだけであった。

今までの渚は、毎日毎日バレーの練習に明け暮れていたので、渚自身も自分にいい休息の機会だと言い聞かせていた。

しかしそれも最初のうちだけで、日が経つに連れてそんな生活に嫌気がさしてきた。

今時の子なら、学校の行かずに全てのことを世話してもらえるので、何も文句は言わなかっただろう。

しかしながら渚は例外だった。

学校も好きだったし、言うまでもなく体を動かすのが大好きで、動かしてなかったら逆にストレスがたまるような活発な生徒であった。

そんな時、やはりバレーか何かをしたいという衝動にかられるのだった。

それでもなんとか持ち前の我慢強さで1ヶ月を過ごした。