「やはリプレイは無理ですね。できるだけ動かさずにこのまま病院に運びます。見たところ、もしかすると骨にも何か影響が出ていそうなので」

顧問の先生が口を挟む間もなく渚が抗議した。  

「先生!私、大丈夫です。やらせてください!ねえ、先生ってばッ!!」

渚は無理に動こうとして痛みに呻いた。

隼人がすぐに押さえつけたが、その時渚は痛さのせいか、疲れのせいか、気を失っていた。

みんなかなり驚いていたが、  

「…大丈夫だ。ただ気を失ってるだけです。もうこのまま連れていきます。目を覚ますとうるさいですから」

隼人のそんな言葉にみんなは一安心して、同時に少しの笑いも起こった。

試合はすぐに再開され、隼人は渚を連れて体育館を出た。

中から審判の笛の音が聞こえた。