怪我の巧妙

「先生!渚さんが…渚さんが…!」

慌てていたため渚に何が起きたか説明はできなかったが、隼人はそれだけでも渚の身に何かが起こったことを察知した。

隼人はその子を立たせ、一緒に体育館まで走っていった。

隼人は体育館で渚が倒れてるのを見て、思いもしなかった光景に一瞬唖然とした。

しかしすぐに気を取り直し、渚に駆け寄った。

渚は痛みで立つこともできなかったが、隼人の顔を見ると、それまでなんにも話さなかったのに、急に話しだした。  

「先生!悪いんですけど起こしてもらえませんか?起きたらきっと痛みはないと思うんですけど」

渚はそう言いながらも目に涙をためていた。

もう自分にプレイができないことは承知していた。

でも認めたくなかった。

誰に何を言われようと認めたくなかった。

隼人は渚のそばに座り込み、そこで少しだけ診察をし始めた。